Wanderers - 宇宙から来た僕

ある日、自分が宇宙から来たと知った “僕” の冒険

スター・ウォーズは “サイン” だった

自分が宇宙から来たと知ったとき、僕の日常が突然『スター・ウォーズ』の世界にずれこんだような気がした。

これは自分でも上手い例えだと思ったんだけど、僕はこの後ずっと『スター・ウォーズ』に追いかけられることになった。

僕らはいったい、どの星から来たんだろうか?

自然と疑問が湧いて来たけど知るすべがなかった。

それから数日、僕の Instagram や Twitter のタイムラインに、やたらとスター・ウォーズ』が目につくようになった。なんのブームでもないいま、いったいなぜ? 中には古い新聞の切り抜きまであった。

僕はいったい、どこから来たんだ? 問い続けたけど、わからなかった。

お風呂に入っている時にふと「プレアデス」という言葉がひらめいた。たしかそんな星団があった気がするな。僕はお風呂を出てすぐにインターネットで調べた。

ようやく『スター・ウォーズ』の意味していたことに気がついた。そこには、レイア姫とプレアデスの関連が書かれていたんだ。

プレアデス星人の特徴は、僕らの特徴そのまんまだった。僕らの場合、二人の共通点にあたればいいわけだから、一人の場合よりずっと簡単だった。

光しか知らないようなポジティブな性格っていうのは、まったく僕らしいと思ったし、ボスだってじつは底抜けにネアカなんだ。自由気ままだとか、愛の強さと美意識の高さが特徴ってとこも、僕らに合っていると思った。もちろん、周りから浮いてしまいがちっていうような側面もね。

だけど、間違いないかもと思ったのは「核戦争を異常に恐れている」ってことだった。プレアデスの星のひとつが核爆弾で破壊されたのが理由らしいんだ。

僕は小学校の社会科の授業で核戦争を知った夜、恐ろしくて泣きながら布団にもぐり込んでずっと怯えていた。人生であれほど恐い経験はなかった。ボスは広島を新幹線で通り過ぎるだけで具合が悪くなるという。ボスの場合 “みえない存在” も感じてしまうわけだから、その恐ろしさは僕には想像できないな。

 

プレアデス星人については、この記事が面白いよ。



ボスとの出会い

ボスと出会った時のことを書いておいたほうがいいね。

僕とボスが出会ったのは、もう10年よりもっと前だ。僕らはあるパーティーで知り合った。その日ボスがそこに来るのを、みんなが楽しみにしていた。なぜって、ボスはデザイナーで、デザインしたものはいつも見ていたけど会うのは誰もがはじめてだったからさ。ボスのデザインはかっこ良くて、その頃みんなが憧れたものだった。

僕らは挨拶をした後、そのまま夢中でお喋りを続けた。そしてパーティーが終わる頃、そこを抜け出して踊りに行ったんだ。僕らは朝方まではしゃいだ。とにかく楽しくてしかたがなかったんだ。

ひと晩で親友になった僕らは、よく連れ立って宇田川町へレコードを掘りに行った。レコードを「掘る」なんてへんな言い方だけど、レコードはじっさい一枚一枚地味に掘るものなんだ。

ロックばかり聴いていた僕に、ボスはいろいろな音楽を教えてくれた。スピリチュアル・ジャズアンダーグラウンド・ヒップホップ、それまで聴いたことのない音ばかりで、一緒にいると発見の連続だったよ。

たとえば、ファラオ・サンダースを教えてくれたのもボスだった。メッセージ性や精神性の強い音楽が多かったね。

Karma

Karma

 

この頃、僕らは夢のように楽しい時間を過ごした。

だけど僕と出会ったせいで、ボスに変化が起きていた。僕は、ボスが突然冷たくなったり、おかしなことを言う理由がまるでわからなかった。ボスはこの時、幻聴や幻覚がどんどんひどくなっていくことに一人で悩んでいたんだ。

いま思うと、宇宙船で一緒にやって来た仲間に出会ったせいで、ボスの覚醒がはじまってしまったんだね。

僕はそんなことには気がつかず、ボロボロになっていくボスをどうすることもできなかった。そしてボスは最初の入院をすることになったんだ。

宇宙ステーションの記憶

僕が「自分は宇宙から来た」ってことをすんなりと受け入れられたのは、夢の中で何度か宇宙ステーションのようなところにいたのをはっきりと覚えているからだ。

残念ながら、その夢にボスは登場しない。登場していたのかもしれないけど、記憶には残っていないんだ。

そこは宇宙ステーションなのか、巨大な宇宙船の中なのかはわからない。とにかくその場所で、僕は月に似た殺風景で荒涼とした星をずっと観察しているんだ。

じっさいには僕が観察していたのは星そのものじゃない。その星で働いているダーリンだ。ダーリンはなにかの調査をしたり、時々乗り物に乗って砂漠で遊んだりしている。僕はいつもその様子を見守って、ときどき交信していた。

ある時ダーリンに「小さい頃はどんな子どもだったの?」と聞いた事がある。「おばあちゃんが言うには」と前置いたうえで

「夜になると、いつも月に話しかけている子どもだったらしいよ」

と教えてくれた。

僕はこの話を長いこと忘れていた。自分が宇宙船に乗って地球に来たと知った後に、ふと思い出したんだ。

夢の中で月のような星にいたダーリンと、じっさいに月と話す子どもだったダーリン。なにか関連がありそうだけど、僕にはまるでわからなかった。ヒントがほしくなった僕は、思い切ってこの夢の話をしてみたんだ。だけど、ただの夢の話で終わってしまった。

がっかりしたついでに「夢の中なのに離れたところにいてさ、残念だったよ」と言った僕に、ダーリンは「夢の中にいるって認識があるんだね?」と言った。

そうだ。僕は、この夢をみる時いつも、それが夢の中だと知っていたんだ。

小さな宇宙人にもらったヒント

僕は先週あたりから「エンリケ・バリオスの魔法の学校」を夢中で読んでいる。ちょうど自分が宇宙から来たって知るすこし前ぐらいからだね。

本当は一気に読み終えてしまいたいんだけど、この本はちょっと “こうるさい” ところがあって「しっかりと消化吸収するまでは、次に進んではいけない」って言うんだ。本のくせに変わってるよね。

エンリケ・バリオスの魔法の学校 (超知ライブラリー)

エンリケ・バリオスの魔法の学校 (超知ライブラリー)

 

 それで、この人の書いた他の本も読んでみたくなったんだ。エンリケ・バリオスは「アミ 小さな宇宙人」の著者でもある。有名な本だからタイトルは知っていたけど、これまで読もうと思わなかった。表紙の絵を見て、子ども向けかなと思っていたんだ。

こうしてみると「魔法の学校」を読みはじめた時にはすでに、僕は宇宙に呼ばれていたわけだね。 この手のシンクロニシティには別にびっくりしなくなってきたけど、今回は「また宇宙人かよ」って思ったな。

アミ小さな宇宙人 (徳間文庫)

アミ小さな宇宙人 (徳間文庫)

 

読みはじめてみると、この本はとてつもなく面白かった。子ども向けなんて思って申し訳なかったといまは思うよ。

アミ(宇宙人)のこんな言葉がある。

「つらくきびしい人生をたえてきたひとが、より人間的な人生を送れるようになったとしたら、そのひとたちがいちばんそれを評価できるだろう。もし夜がなかったらどうして日の出をよろこぶことができるだろう」

これを読んで、僕はハッとしたんだ。

ボスは、誰にもわかってもらえずに幻聴や幻覚を病気だと思い込まされて生きて来た。本当は、じっさいに受け取っていたというのにね。落ち着いて生活できるようになったいまは「より人間的な人生」を、それはもう大切にしている。ボスにとって普通に暮らせることは、それぐらいうれしくてありがたいことなんだ。

もう一度、アミの言葉を読んで考えてみてほしい。もしボスが、さらに「より人間的な人生」を送れるようになったら、どれだけそれを評価できると思う? 薬も飲まず、いつも最高の自分でいられるようになったら?

僕は思った。「アセンション」って大げさに騒いでいるけど「じつは、大したことじゃない」んじゃないかってことをね。

ボスとの対話

僕は仕事に行くのが待ち遠しかった。もちろんボスと早く話がしたかったからだ。

…突然こんな話をして大丈夫だろうか?

一瞬ためらったけど、とっとと話そうと思った。どうせ、ボスには何も隠せやしないんだ。僕はボスをお昼ごはんに誘って、あらいざらい話した。

僕らが宇宙船に乗って地球に来たこと。

ボスがそのグループの長だということ。

ボスの幻聴は人の「思い」を拾う、テレパシーのようなものだったということ。

心の病気ではないということ。

そしてボスはいつか地球のために大きな仕事をするらしいこと。

ボスは静かに聞いていた。僕は「どう思う?」と馬鹿げた質問をしてしまった。もう少し気のきいた言い方があっただろうにね。

「どうって言われても、いきなり100%は信じられないよ」

ボスはそう言いながら、なにか考えているみたいだった。僕は待とうと思った。

それから数日後、ボスは僕の先生に一度会ってみたいと言った。僕の伝えたことをある程度受け入れてくれたみたいだった。

ボスの心を開いたのは、先生が言った「よく生きていてくれました」という言葉だったようだ。

「いままでわからないことだらけで生きて来た。この苦しみをわかってくれる人がいて、はじめて救われた。」

そう話している時、ボスは涙ぐんでいるように見えた。誰にもわかってもらえない苦しみを本当にわかってもらえた時、人はこんなにも心を動かされるんだ。僕はそう思って、先生の大きなやさしさに感動していた。

僕らのミッションはアセンションだって?

ボスをリーディングしてわかったことについて、もう少し書いておこうと思う。

ボスの話を聞きながらリーディングしていくうちに「なんという尊い魂なんだろう」という思いが込み上げて来た。ダイエーのフードコートで空になったうどんの丼を前に、友達にそんなことを思った自分にもびっくりしたけど、それ以外に言い方が見つからない感じだった。それで僕は、感じたそのまんまを授業で報告したんだ。

僕の報告を聞いたクラスメイトの一人は、ボスのことを「超高級霊」だと言った。この言い方はとても面白いと思ったし、気に入ったな。 

ほかのクラスメイトが「宇宙から来た人のような気がします」と言い出した時、僕はまだポカーンとしていたよ。この時点では、まさか自分まで巻き込まれるとは思ってもいなかったんだ。

だけど、先生が「この方、あなたと一緒に、宇宙船に乗って地球に来ています」と言った時、僕には心に浮かぶ風景があった。自分が宇宙ステーションのようなところにいる夢を何度かみていて、それが忘れられなかったんだ。

先生が見たビジョンでは、地球に向かう途中の宇宙船で、ボスと僕は「うまくいくかな?」と相談をしていたらしい。

ボスと作戦会議をするぐらいだから、スター・ウォーズに例えると、ボスがヨーダだとして、僕はオビ=ワン・ケノービぐらいの立ち位置だったわけだ。これまで僕の人生はせいぜい、ちびまる子ちゃんの花輪くんぐらいの役どころだろうと思ってたのに、突然次元の違う冒険に巻き込まれたみたいで、すこし震えたな。人生には無限の可能性があるとは思っていたけど、想像を遥かに超えていたからさ。

ボスは「アセンション」と言われるような意識の変革をもたらそうと地球に来たという話だった。アセンションって、はじめて聞く人もいるよね? 簡単に言うのが難しいんだけど、この三次元の世界から多次元へ上昇するってことだって言われている。そのために、ボスは普通の暮らしをするには強力過ぎる能力を持って、生まれて来たみたいだ。

あまりにも大きなミッションに、僕はまたびっくりした。「アセンション」って言葉は知っていたけど、こうして勉強中の僕が、まさかそれをサポートする側にいたとはね。

そもそも「宇宙から来た」なんて荒唐無稽な話、つい数年前の僕ならきっと信じなかっただろうな。いろいろなことを学んで受け入れる準備が出来たから、いま知ることになったんだろうと思うよ。

宇宙から来た僕とボス

つい先週のこと、僕は思いがけず自分のルーツを知ることになった。

僕はいま、リーディングを学んでいる。リーディングっていうのは、目に見えないエネルギーから情報を読み取ること。日本語には “気” って言葉があるよね。人が放っている “気” を通して、本当のその人を見ることがリーディングだと思っていい。

その宿題で、練習相手になってくれた友達のリーディング結果を報告した時、先生がこう言ったんだ。

「この方、あなたと一緒に、宇宙船に乗って地球に来ています」

ちょっとやそっとのことじゃうろたえない僕も、さすがにこれにはびっくりした。

 友達は宇宙人で、そのうえ自分も宇宙人ってこと?

さらに先生は驚くことを言った。

「この方は、宇宙船でやって来たグループの長です」

この友達とは長い付き合いで、仕事仲間でもある。仲間は彼のことを「オヤジ」と呼んでいる。オッサンという意味じゃなくて、ヤクザが組長をオヤジと呼ぶようなノリでね。だけど、彼がまさに「オヤジ」だったとは、まったく気がつかずにいたんだ。

ここでは、彼のことを「ボス」って呼ぼうと思う。オヤジだとお父さんと誤解されそうだからね。

ボスは、幻聴や幻覚のせいで「心の病気」ってことになっていた。普段はごく普通にしているけど、何度か入院したこともあるし、いまもたくさんの薬を飲んでいるのを知っている。

ボスの病状を伝えると、先生は「幻聴じゃなくて、この方は本当に聞いています」 と言った。そして「よく生きていてくれました」と言ってくれたんだ。

この時はじめて、僕にもボスの苦しみがすこしわかった気がした。ボスの苦しむところを間近でずっと見てきたのに、僕は「わかったつもり」で同情していただけだったんだ。なんというか、頭が下がる思いだったよ。

この日の授業の後、いつも通りにクラスメイトとご飯を食べながら、僕は心ここにあらずだった。びっくりしたけど、答えが見つかったような感じもしていた。ちょうど難解なパズルの解き方がわかった時みたいに、いろんな記憶が蘇って来ては繋がっていくのを、僕はただ眺めていた。

そして僕がこの日、僕らが宇宙から来たと知ったことも、大きな計画の一部なのかもしれないと思ったんだ。