Wanderers - 宇宙から来た僕

ある日、自分が宇宙から来たと知った “僕” の冒険

スターピープルとの再会

もう何年経つだろうか。出会ってすぐに仲良くなった友だちがいる。大人になってから、あんなにすぐに仲良くなって、あんなに一緒に遊び回った友だちはそれほど多くない。

だけど、4年ほど前に彼がニューヨークに行ってからは、電話で一度話したっきりだった。それでもSNSで時々様子を見ていたせいか、彼のことはとても身近に感じていて、もう4年も経っていることのほうが驚きだった。

久しぶりに彼が帰って来ると聞いて、僕は会えるのをとても楽しみにしていたんだ。

昨日の夜だったか、ふと、僕らはなぜあんなに気が合ったんだろう?と思い返して、ようやく気がついた。彼も宇宙から来た仲間なんだと、突然はっきりわかったんだ。

約束の時間に10分遅れで待ち合わせ場所へ向かう途中、彼はすぐ前を歩く僕を見つけた。

そう、こういう調子なんだよ!

同じだけ遅れて、同じ場所を通って。そういう偶然、シンクロニシティが当たり前なんだ。

なにげない会話の中で、僕は自然と「だって(君は)スターピープルだもんね」と口にした。彼は「スターピープルって何?」と聞き返したけど、僕が説明をすると、すぐに腑に落ちた様子だった。

 生まれてからずっと感じて来た違和感を、彼は「どこに居てもまるでフィットしない感じ」と表現した。そして「それなら、すべてに合点がいく」と言った。

その感じ、僕にはよくわかるんだ。

自分が宇宙から来たと知った時、僕もいろんなことに納得した。なぜこんなに疎外感を感じてしまうのか。なぜ自分は人と違っていると感じてしまうのか。いつも孤独に感じるのはなぜなのか。

僕は、いま、ここが大事だと思う。だから前世とかルーツを知ることはそれほど重要じゃないとも思っていた。だけど、いま、ここに理由の見つからない違和感があるとしたら、こんな風に、自分のルーツを知るだけで、一瞬で納得してしまえることもあるんだ。

僕らは口々に「だって僕らスターピープルだからね」と新しい冗談を言いながら、楽しい時間を過ごした。

自分がスターピープルだと知った彼がニューヨークに戻ったら、きっと新しい出会いがあって、きっとなにかが動き出すだろう。僕は、その思いつきにわくわくしながら帰宅した。