言ってはいけないあの言葉
ハリー・ポッターで「名前を言ってはいけないあの人」って台詞があるよね。ヴォルデモートのことを恐れて、皆が「例のあの人」っていうやつさ。
僕にとって、ダーリンを「ツインフレーム(双子の魂)だ」って言うことが、まさにそんな感じだった。
言葉にしたら、確かなものになってしまうから、決して言っちゃいけない。認めるのが恐ろしくて言えない。そんなふうに思ってたんだ。
最近ソウルメイトに関する本もたくさん出ていて、世の中の人の多くがソウルメイトに出会うのを夢見てるみたいだ。なかでも魂の片割れに出会いたいって思ってる人は多いみたいに見えるよね。
だけど、僕にとって、それは「とても、恐ろしいこと」だった。
僕が自分で認めたら最後、もう絶対に宿命から逃げられないと思った。さらに、そのことを他人に知られるなんて、もってのほかだと思っていて、その言葉を口にすること自体を恐れていた。
それでも確信は強くなるばかりで、僕は馬鹿みたいにこっそりと、ツインフレームとかツインソウルの情報を調べて、そのたびに「間違いない」いう思いを強めてますます恐れていた。
その頃の僕は、まだ自分が宇宙から来たことも知らなかったし、スピリチュアルな知識なんて、あんまり持っていなかった。ただ、たった一人の相手に出会ってしまったと認めるが、恐かったんだ。
僕はね、ドラクエで、どんどん次のステージへ進んでいって、次がラスボスだってわかった時「とうとう楽しい旅が終わってしまう!」って悲しくなるタイプなんだよ。
先生のところをはじめて訪れた時、先生はすでに、僕らの関係がどれだけ特別かを教えてくれていた。後から思い出すと僕らがツインフレームだとしか考えられない内容だったけど、先生は言葉そのものは言わなかったから、僕が気がついたのは、しばらく後だった。
そして、ダーリンはね、付き合いはじめる前にもう、僕のことを自分の「分身」だって言ってたんだ。まるで、みんな早くからわかっていたのに、僕だけが必死で抵抗してたみたいだった。
どこかで「魂の片割れと結ばれたら、地球での転生はそれが最後になる」って読んだことがある。その話はきっと本当だなって、なんとなく感じてた。これも、僕が認めるのを恐れていた理由のひとつだ。
二度目に先生に会った時、
「地球での転生は今回が最後という気がするんですが」
と僕が言うと、先生はちょっと淋しそうな顔をして
「必要があれば来れるわよ」
と慰めるように言った。
その時、僕は、本当にもう絶対に、次は無いんだと確信した。
僕がこの話を書こうと思ったのは、もういい加減に降参したっていうのと、ダーリンとのことを抜きに僕の冒険を語るのも限界があると思ったからだ。
いまではダーリンが僕の魂の片割れだってことをすっかり受け入れているし、愛ってものの本当の意味を知って、心から幸せだと感じてる。
それにね、ドラクエみたいに楽しい旅が終わってしまうなんてことはなくて、ラスボスとの出会いは、まったく新しい旅の始まりだったんだよ。
いま、魂の片割れに出会う人たちが増えているらしい。それなら、僕の話も少し役にたつかもね、とも思った。
僕が読んだなかで、下のブログ「ツインソウル応援プロジェクト」に書いてあることは、本当のことに近いことが多いと思う。なぜって、僕が読んでいて「これは恐い」って思ったからだよ(笑)