Wanderers - 宇宙から来た僕

ある日、自分が宇宙から来たと知った “僕” の冒険

巣立ちの時

リーディングを学んでいた学校で、とうとう最後の講義を終えた。いま僕の頭の中には尾崎豊の「卒業」のサビ部分がぐるぐるリピートしているんだけど、なぜか「この支配からの卒業」という歌詞を「この世界からの卒業」と言い替えた、替え歌になっている。

「この世界からの卒業」が意味するのは、いま、この地球を卒業してしまうってことではけっしてない。もう見習い気分でいられる時は終わりだよってことでもあるだろうし、先生に教えてもらったことを自分なりのやり方で伝えていく時が来たってことでもあると思う。

そして、僕自身が無意識につくり出してしまった現実から卒業して、もっと意識的に現実をつくり出していくって意味だとも思った。

僕が最初に先生に学ぼうと決めたのは「しばらくの間、この人の地球での仕事を手伝おう」と思ったからだった。なぜそんなことを思ったのか、その時はぜんぜんわからなかった。ずいぶんたいそうなことを考えたものだなと、はずかしいぐらいだったよ。

でも僕が宇宙から来たと知って「地球での仕事」なんていう言い方をした意味がわかった。地球にミッションを持って来ている同志で、すでに活躍して地球に貢献している先生と出会って、僕の中で眠っていた “大切なミッション” の記憶が刺激されたのかもしれないと思ったんだ。

最初の講義で、先生は「スピリチュアルは誤解されている。この誤解を解く手伝いをしてほしい。」って言った。それを聞いた僕の心は「よし来た!」とミッションを与えられたよろこびで躍っていた。僕にはね、そういう、ちょっと軍人っぽいところがあるんだよ。

だけど僕にできたことは、身近な、ほんの数人の親しい友達に影響を与えたことぐらいだった。僕自身がまだまだ未熟で、やることがたくさんあったんだ。だけど、未熟だからって言い訳をして先延ばしにするのはもう終わりにする時が来たような気がする。これからは、行動しながら成長していくんだって思っているんだ。

先生やクラスメイトに出会って、僕はかけがえのない学びの時間を過ごした。じっさいには大変なこともあったけど、たのしかったし、とにかく夢中だった。

先生のところに通い出したとたん、何年もみていた学校の夢もみなくなった。僕がほんとうに行きたかった学校は、ここだったんだなって思ったよ。まるでそこに行くことがあらかじめ決まっていたみたいだった。

正直に言って、僕はいま淋しい気分でいる。ものごとの終わりには、ひとは淋しい気分になるものだよね。だけど終わりははじまりでもあるんだ。ちょうど『スター・ウォーズ』の “ジェダイ騎士団” みたいに、僕ら生徒はしばらくバラバラにそれぞれの担当の仕事をして、いつか時が来たら、一緒に仕事をするのかもしれないね。

それにね、心はいつも、つながっているような気がするんだよ。先生ともクラスメイトのみんなともね。

最後に先生はまた「スピリチュアルは誤解されている」という話をした。僕はその誤解を解きたいと、ほんとうに思うよ。