Wanderers - 宇宙から来た僕

ある日、自分が宇宙から来たと知った “僕” の冒険

薬を飲まない健康法

僕は薬を飲まない。正確に言うとアレルギーがあって飲めないんだけど、そのおかげですごぶる健康だ。

二十歳の時、鎮痛剤でアレルギーが出たんだ。それまでは何ともなかったのにね。唇や腕の皮膚の薄いところが赤く腫れ上がった後、水ぶくれだらけになった。

それ以来、風邪薬を飲んでも同じ症状が出るようになった。いくつかの薬を試した結果、どうしても飲めない種類の薬がどれかはだいたいわかったけど、大丈夫なはずの薬でも軽い症状が出ることがあって、だんだん薬を飲むことじたいが嫌になったんだ。

化学調味料を摂り過ぎると気持ち悪くなるのにも気がついていて、めったに使うことはなかった。もともとおいしいものが好きで、料理も好きだったから、困ることはなかったけどね。

子どもの頃から、農薬散布をしているそばを通るとものすごく気分が悪くなったし、白い粉が舞っている景色を見ると悲しくて涙が出そうだった。だから自分で植物を育てる時に薬品を使う気にはなれなかったよ。

無農薬とか天然のものにこだわることを神経質だって批判するひともいるけど、僕の場合そんなふうに自然な流れでそうなっていったんだ。導かれるようにね。

それで、早くから代替療法や健康な食事に興味を持つことになった。風邪をひきそうになったら体を温めるとか睡眠をとるとか、当たり前のことをして予防するようになったから、歯医者以外の病院にはほとんど行かないぐらいなんだよ。

ちょっと具合が悪いだけで、人はすぐ「病院に行ったほうがいいよ」って言う。まるで行かないことを咎めるような言い方でね。薬だけ飲んで症状がおさまると、病気の原因を改善しようともしない人が多い。

だから製薬会社はほんとうに儲かってるんだよ、彼らは必ずリピートする客だからね。広告業界にいる人は、製薬会社がたくさんの広告宣伝費を使って、それでも儲かっているのを知っているよね。病院が必要以上に薬を出すのは商売でもあるからなんだ。

病院に行くことはけっして悪くない。苦しい時に薬の力を借りることも否定はしない。ただ、自分の身体の声をちゃんと聞くことがとても大切なんだ。そして医者の言うことのすべてを鵜呑みにしないことも大切だ。僕らはみんな、医者のように先生と名のつく職業の人を、妄信しがちだからさ。もちろん素晴らしい医者もいる。だけど僕らはもっと自分の身体に責任を持ったほうがいい。