Wanderers - 宇宙から来た僕

ある日、自分が宇宙から来たと知った “僕” の冒険

ダーリンへの告白

自分が宇宙から来た魂だってことを聞いて「そうだったのか…そういえば!」って感じで比較的すんなり受け入れたものの、それを本当の意味で受け入れるのにはやっぱり一週間ぐらいかかった。

何をしていてもいろんな記憶が再生されてきて、宇宙、宇宙、宇宙のオンパレードだったし、時々はもともと持っていた “疎外感” が強調されて浮かび上がって来たりもした。

だけど、いま地球で、日本人をやっていて、僕がここに居ることには何も変わりがない。だからこの変化と冒険を楽しむことにした。それにもし宇宙から来たっていうのが何かの間違いだったとしても、そんなことは誰にもわからないんだし、こんな冒険に出会ったことのほうがラッキーだ。

僕は興味のあることを調べたり、本を読んだりするのが大好きだ。根っからのオタクなんだよ。突然なにかにハマり出すと、あきれるぐらいそのことをずっとやってる。

で、いまは当然、宇宙とかプレアデスのことを調べてるんだ。面白いよ。インターネットで、プレアデス人の特徴として「学ぶこと、研究すること、調査することに長けている」って書いてあるのを見つけたんだけど、僕がプレアデス人だとすると完全に当たっているね。

そんなにもハマりながら、自分が宇宙から来たって話は、まだダーリンには言ってなかった。

ずっと前に僕が天使にハマってコンタクトをとろうとしはじめた頃、おそるおそるそのことを伝えたら「そういうところも可愛いと思う」ってケロッとしてた人だから大丈夫かなとも思ったけど、おかしなことを言ってると思われないか心配だったんだ。だけど、家に宇宙の本がまた増えて来たし、会話が制限されるのも困るから、そろそろ告白することにした。ちょうど僕が宇宙から来たと知って10日目ぐらいだった。

僕の心配を見透かしているみたいに、ダーリンはニコニコと聞いていた。そして「だけど、伊勢で生まれた地球人の子なんだよ?」って言ったんだ。僕が「そうだけど、来たのはもっと、もっと昔なんだ」ってこたえると、ダーリンは急にイヤそうな顔をして「あぁ、またこんな面倒をやり直すのかと思うと嫌だ」って言うんだ。輪廻転生、つまり人が何度も生まれ変わるってことを、面倒だから信じたくないって言うんだよ。

そして「本当の願いは、この支払いのサイクルから解放されてお金の心配をせずに好きなものを作って暮らすことだ」って言ったんだ。

僕はひらめいた。それはまるで、ついこの間読んだ「アミ 小さな宇宙人」に出て来た、精神性の高い人だけを集めて理想的に発展した別バージョンの地球の姿だった。ダーリンはそういう社会が “ある” ことを知っているみたいだった。

じつはさ、ダーリンも宇宙から来てるんじゃないかと少し疑っていたんだよね。子どもの頃に月と話してたってエピソードも怪しいしね。この言葉を聞いて、僕は、ますますその可能性が高いって思いはじめた。

アミ小さな宇宙人 (徳間文庫)

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